Lab: Web情報を収集・分析する

外部のデータを取ってきて、加工して、レポートにまとめる。 この一連の作業を 日本語の指示だけ で自動化する体験です。

今回のテーマは 為替レートの分析レポート作成 です。 プログラミングの知識は一切不要。Claude Code に「やりたいこと」を伝えるだけで進められます。


Phase 1:準備

ウォームアップで作った hackathon フォルダで Claude Code を起動します。

ターミナルに以下を 1 行ずつ貼り付けて Enter してください。

cd ~\Desktop\hackathon
claude

> マークが出たら準備完了です。

ポイント: 今回は Claude Code がインターネットにアクセスしてデータを取得します。社内ネットワークでWebサイトの閲覧が制限されている場合は、ネットワーク管理者に確認してください。


Phase 2:公開APIからデータを取得する

まずは為替レートのデータを集めるところからです。 以下をそのまま Claude Code に入力してください。

過去30日間の為替レート(USD/JPY と EUR/JPY)を取得して、
CSVファイルに保存してください。
無料で認証不要の公開APIを使ってください。

Claude Code がやってくれること

  1. 無料で使える為替データのAPI(例:frankfurter.app など)を自動で選定
  2. APIにアクセスするスクリプト(Python等)を作成
  3. スクリプトを実行してデータを取得
  4. exchange_rates.csv のようなファイルに保存

画面に「ファイルを作成してもいいですか?」「コマンドを実行してもいいですか?」と確認が出ます。 内容を見て問題なさそうなら y で許可してください。

完了すると、hackathon フォルダに CSV ファイルが出来上がります。

API とは? アプリケーション同士がデータをやり取りする窓口のことです。「為替データください」とリクエストすると、決まった形式でデータを返してくれるWebサービスです。認証不要の無料APIを使うので、アカウント登録などは不要です。


Phase 3:データを加工・分析する

CSV ファイルができたら、次はそのデータを分析します。 以下をまとめて入力してください。

取得した為替データから以下の分析を行ってください:

- 30日間の推移グラフ(HTMLファイルで作成)
- 平均・最大・最小・標準偏差の統計サマリー
- 直近1週間のトレンド(上昇/下降/横ばい)の判定
- 来週の簡易予測(移動平均ベース)

Claude Code がやってくれること

  1. CSV データを読み込んで統計計算を実行
  2. グラフ付きの HTML ファイルを生成(ブラウザで開けます)
  3. トレンド判定ロジックを作って上昇/下降/横ばいを判定
  4. 移動平均から来週の簡易予測値を算出

生成された HTML ファイルをダブルクリックすると、ブラウザで為替の推移グラフが表示されます。

移動平均とは? 直近の数日間のデータを平均して傾向をつかむ方法です。株価や為替の分析で広く使われています。Claude Code がこの計算を自動で行ってくれます。


Phase 4:レポートに統合する

分析結果がそろったら、提出用のレポートにまとめます。

分析結果をまとめて、経理部に提出できる為替レポート(Excel)を作成してください。
グラフ付きで、A4印刷を想定したレイアウトにしてください。
以下のシートを含めてください:
- サマリー(概要・結論)
- 日次データ(CSV の内容をテーブルで)
- グラフ(推移チャート)
- 統計分析(平均・最大・最小・トレンドなど)

Claude Code がやってくれること

  1. Excel ファイル生成用のスクリプトを自動作成
  2. 必要なライブラリ(openpyxl 等)を自動インストール
  3. 複数シート構成の Excel ファイルを生成
  4. グラフ・罫線・ヘッダーなどの書式設定も自動対応

完成した Excel ファイルをダブルクリックして開いてみてください。 きれいに整形されたレポートが出来上がっているはずです。

ライブラリの自動インストール: Claude Code は、必要なツールが入っていなければ自動でインストールを提案してくれます。「○○をインストールしていいですか?」と聞かれたら y で許可してください。


Phase 5:発展 — 複数の情報源を統合する

ここからは応用編です。余裕があればチャレンジしてみましょう。

5-1. 別のデータを追加する

さらに、日経平均株価のデータも取得して、
為替との相関を分析に追加してください。
相関係数と散布図もレポートに含めてください。

Claude Code が自動で日経平均のデータ取得先を探し、為替データと組み合わせた分析を行います。 相関係数や散布図がレポートに追加されます。

5-2. 全工程を1コマンドにまとめる

このレポート生成を1コマンドで実行できるスクリプトにまとめてください。
来月もう一度実行するだけで最新データのレポートが作られるようにしてください。
実行方法は日本語のREADMEに書いてください。

Claude Code が、今まで行ったすべての工程を1つのスクリプトにまとめてくれます。 次回からはそのスクリプトを実行するだけで、最新データの取得からレポート作成まで全自動で行えます。


ここがClaude Codeならでは

ブラウザ版の Claude との違い

ブラウザで使う Claude(claude.ai)は、インターネットへのアクセスが限定的で、ファイルの保存もできません。

一方 Claude Code は:

  • 実際に HTTP リクエストを送信 してインターネット上のデータを取得できる
  • 取得したデータを ファイルとして保存 できる
  • Python スクリプトを書いて その場で実行 できる
  • Excel や HTML など 実務で使える形式のファイル を直接生成できる

つまり「調べる」「加工する」「ファイルを作る」をすべて自動で実行できるのが最大の特長です。


Phase 6:驚きのポイントまとめ

この Lab で体験したことを振り返ってみましょう。

工程従来の方法Claude Code
情報収集Webサイトを巡回して数値を手作業でコピー(約1時間)APIから自動取得(数秒)
データ加工Excelで関数を組んでグラフを作成(約2時間)スクリプトが自動で計算・グラフ化(数十秒)
レポート作成体裁を整えて印刷レイアウトを調整(約30分)書式付きExcelを自動生成(数十秒)
合計約3時間30分約5分(指示を入力する時間のみ)

しかも、作成されたスクリプトは 来月も再来月も使い回せます。 「インターネットから情報を取ってくる」「加工する」「レポートにする」の3工程を、日本語の指示だけで全自動化できる。これが Claude Code の力です。


この Lab で作成されるファイル

最終的に hackathon フォルダには、以下のようなファイルが作られます。

hackathon/
├── exchange_rates.csv          ← 為替データ(生データ)
├── nikkei_data.csv             ← 日経平均データ(Phase 5)
├── exchange_chart.html         ← 推移グラフ(ブラウザで閲覧)
├── exchange_report.xlsx        ← 提出用レポート(Excel)
├── generate_report.py          ← 自動化スクリプト(Phase 5)
└── README.md                   ← 実行手順の説明

ファイル名は Claude Code が自動で付けるため、上記と若干異なる場合があります。


うまくいかないときは

こんなとき原因やること
「接続できません」と表示されるネットワークの問題Wi-Fi に接続されているか確認してください。社内プロキシがある場合はネットワーク管理者に確認
「APIの制限に達しました」と出るAPI のレート制限1〜2分待ってから再度試してください。Claude Code に「別のAPIを使ってください」と伝えるのも有効です
Python が入っていないと言われるPython 未インストール「Python をインストールする方法を教えてください」と Claude Code に聞いてください。手順を案内してくれます
Excel ファイルが文字化けする文字コードの問題「文字コードを UTF-8 with BOM にして作り直してください」と指示してください
データが30日分取れない無料APIの制限「取得できる範囲のデータで分析を進めてください」と伝えればOKです
グラフが表示されないブラウザの問題HTML ファイルを右クリック →「プログラムから開く」→ Chrome または Edge を選択
何も反応しない処理に時間がかかっているデータ取得中は数十秒かかることがあります。少し待ってみてください

さらに試してみたい方へ

時間に余裕がある方は、こんな指示も試してみてください。

為替レポートをPDFでも出力してください。
会社ロゴの代わりに「株式会社サンプル」というヘッダーを入れてください。
毎週月曜日の朝にこのレポートを自動生成するための
Windowsタスクスケジューラの設定手順を教えてください。
為替データをグラフ付きのHTML形式のダッシュボードにして、
ブラウザで見られるようにしてください。自動更新機能付きで。

日本語で「こうしたい」と伝えるだけで、Claude Code がどんどん形にしてくれます。 思いついたことを気軽に試してみてください。

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